自分にできないことを部下にやらせなさい

先人の言葉

先日、ある先人に言われました。

「自分にできないことを部下にやらせなさい」

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部下にやらせる前に自分でやってみる問題点

私は今、現場で働くメンバーを直接、マネージする立場です。彼らと仕事をするにあたり、アサインするタスクの多くを、自分でおよそできるかどうかを具体的に考えています。そして、これでできるという見通しが立ったところでメンバーにタスクとしてアサインしています。試行錯誤の末、導き出したベストプラクティスとして、数年前からその方法を継続しています。ただ、この方法の問題点は自分でも認識していました。

1つは一定数以上のメンバーを見ることができないということです。自分ができることをアサインしていくと、せいぜい4〜5人分くらいのタスクしか作り出せないし、それくらいの人数しかタスクのウォッチができません。結果的に仕事のスピードにも限界を生じさせてしまいます。

また、メンバーが私の能力以上に育たないだろうということです。言われたことを具現化するだけのタスクになってしまっているので、およそ、彼らの創造力を鍛えることをできていない状態だからです。

メンバー信頼していなかった自分

それらをわかっていつつ、チームの成果を自分の納得できるレベルまで確実に引き出すためにこの手法でチームマネージメントしてきました。ただ、今はそれに対して、頭打ちも感じていたことも事実です。そんなときに、冒頭のお言葉をいただきました。

自分ができないことをメンバーにやらせることにはそれ相応の難しさがあります。メンバーへの指示が今よりも具体性に欠くようになります。それでも求められる結果、成果、ゴールを明確に伝えないといけません。それには、受けるメンバー側にも理解力が求められるでしょうし、前提知識も高いものが求められます。つまり、メンバーにそんな理解力や前提知識がないと、ある意味、自分がメンバーを信頼できていなかったことに気付きました。

自分にできないことを部下にやらせようとして失敗

現職で一度、挫折したことがあります。自分ができないことをやるように指示したら、「自分でやって見て欲しい」とメンバーに言われたことがありました。そんなことを言ってくるなんて、メンバーたちの成熟度が低いと思っていました。しかし、それは違うということに気がつきました。

当時はその声に納得してしまった自分もいました。つまり、「自分ができないことをやらせる」理由を私が知らなかったのです。その理由も理解せずに、マネージメントはメンバーに仕事をアサインすることとだけ実践しようとしていたので、メンバーから、そのような声が上がったのです。

自分にできないことをメンバーにやらせる

今は、その当時とはメンバーも代わっています。今のメンバーとは2年一緒に仕事をし、みっちりとトレーニングしてきたので、「自分ができないことをやるように指示」しても理解し、動いてくれるでしょう。「自分ができないことをやるように指示」する理由をメンバーも私と一緒に学んできました。もし、そこまで到達できていないメンバーがいても、今なら、その理由を説明できるでしょう。なぜなら、自分自身で身をもって経験し、感じ、しっかり噛み砕いて理解できているからです。

以前に説明した仕掛り中の大きなタスクがあることをここで紹介しました。それを頃合いをはかり、メンバーに任せ、一歩引いたところから俯瞰して眺めるように切り替えて行こうと先人は私に決心させてくれました。